【8/12回】 沿道の声援のありがたみを知る
30kmから35kmの区間、これがまた、分かってはいたのですが
相当キツイものでした。走っても走っても距離が縮まらない無限のループ現象。
個人的には42.195kmという距離の中で、この区間の“1kmの長さ”が
一番長かったように思います。特別呼吸がつらくなるとかではないのですが、
足が重くて重くて。「足が棒になる」なんてことわざがありますが、
マラソンを始めてようやくその意味を理解出来たような気がします。
どうにもこうにもやるせない気持ちでいっぱいになりつつも
懸命に歩を進め続けていたのですが、そんな時力になるのが沿道の声援なんですね。
この良く聞く、そしてありきたりのフレーズですが、実際に走ってみると
本当にその通りだということに気付かされます。道行く人の
「がんばれー!」「あともうちょい!」だとか、中高生たちとのハイタッチ。
これはもう、何故だか分かりませんがとにかくやる気を再燃させてくれるんです。
逆に言うと、この声援がないとフルマラソンを完走するのはかなりキツイはず。
ちなみにボクのような市民ランナーでさえこうして驚くほどの力を
もらえるわけですから、プロ野球やサッカーのように、
それ専門でメシを食べてる人たちにとってのそれは、
間違いなく何よりもありがたいサポートだと思います。
試合後のインタビューで必ず入ってくる「……ファンのおかげで」
というコメントですが、それまでは正直
「なんでみんなお決まりのこと言うんだろう」と、若干冷めた目で見ていました。
が、今ならそのセリフの真意がよく分かりますね。
なので、そのファンの声援がないばかりか、ブーイングの嵐まで喰らってしまう
プロ選手たちの“アウェイ”での試合は、きっと想像を絶する精神状況にまで
追い込まれているんだろうなぁ、と考えるだけでも空恐ろしいものがあります。
スパイベルトなるもののポテンシャルを痛感
話はそれましたが、つらいことに変わりはなく、実はこの先
写真を撮る気力が無くなってしまいました……。
ずーっと撮り続けていたわけでもなく、各ポイントポイントのみを
撮っていたのですが、“ウエストポーチからスマホを取り出しシャターを切るだけ”
というただそれだけの動作すらおっくうになってしまったのです。
言うまでもないですが、普段の生活でこれほど限界まで身体を
酷使するシチュエーションはまずありません。ですから自分的には「男気」を
確認する上でも、今後年に一度、このフルマラソンには参加し続けたいと。
こんなキツイ思いを味わったからこそ強く誓ってしまいます。
普段のジョグでも身に付けないウエストポーチ、正確にはスパイベルトを
今回、「写真を撮りたい」というので初めて装着して走ったのですが、
これがなかなか良い感じでした。今までウエストポーチといえば、
走ると同時にどうしても上下にゆっさゆっさ揺れるイメージがあったのですが、
このスパイベルトなるものはゴムで体にピタリとくっつく仕様なので
そのストレスを味わうことがありません。そしてこれは
軽いカルチャーショックでもありました。2年前、霞ヶ浦マラソン大会が
中止した際の参加賞でもらったこのベルトですが、今まで走る際は
極力体をフリーにしておきたかったので普段でも使わずに、
結果本チャンで初めて試したら意外なフィット感。
いやはや、食わず嫌いでしたね。
でもそのスパイベルトからスマホを取り出すパワーも残っておらず、
あとは文字通り、気力を振り絞る段階というわけでして。
◆ 下記の各ポイントも合わせてご覧ください ◆
2013年 第33回開催
◇ 【1/12回】 会場までの道のり
◇ 【2/12回】 ペースランナーを見つけるべし
◇ 【3/12回】 欽ちゃんの仮装大会的コスチューム
◇ 【4/12回】 3年ぶりの未体験ゾーンに突入
◇ 【5/12回】 ロッキーおじさんとの再会
◇ 【6/12回】 二度と軽々しく“サブ4”なんて言えない
◇ 【7/12回】 “30kmの壁”が25kmでやってきた
◇ 【8/12回】 沿道の声援のありがたみを知る
◇ 【9/12回】 フルマラソンの給水でまさかのコーラ
◇ 【10/12回】 速い遅いに関係なく、誰もが満身創痍
◇ 【11/12回】 大げさではなく、立ち上がれない
◇ 【12/12回】 フルマラソン後のタクシーが嬉しすぎる!
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