【7/12回】 “30kmの壁”が25kmでやってきた
25~30kmの区間。これはもう無の境地というか、何も考えずに、
というよりも、考える思考すら停止してしまった為に、
ただ機械的に足を前へ運んでいた区間でしたね。ひと言で、キツイ。
心肺機能は全然大丈夫なのですが、足が言うことを聞いてくれなくなるわけです。
要は、俗にいう“30kmの壁”がボクの場合、25kmで迎えてしまったということ。
この壁に関しては、「やり過ごす」とか「うまくかわす」
という次元のものではありませんから真っ向勝負しかないんです。
いま自分が持ちうる限界の力を出し尽くして挑む他ないわけですね。
これはタイムの速い遅い関係なく、ランナーであれば
誰もが直面する壁だと思いますが、これがホントーに堪えるわけでして。
きっとこれが初マラソンであれば心が折れていたかもしれませんが、
なんせ2回目の出場ということもあってこの辺は既にリサーチ済み。
気合の入り方が違います。それに、この区間では例え一瞬でも
決して後ろ向きの考えを持てなかった理由があるんです。
そう、目の前を走るランナーが、かなりご高齢の女性だったんですね。
後ろ姿をひと目見ただけでも分かる、自分のおばあちゃんほどの方が
走っているという衝撃の事実。しかも中々に追い抜けないということは、
自分とほぼ同じペースということ。フルマラソンは他のスポーツに比べて
ご高齢の方が楽しんでいる割合が多いことを、自分がどっぷりハマり出してから
知ったのですが、それにしてもこうして目の当たりにすると、
中年とはいえまだ圧倒的に年齢の若い自分が弱音を吐くなんてことは
出来るはずがないんですよ。なんて言うのか、そんな光景を
目の当たりにしてしまうと、俄然テンションが鼓舞されますし、
アカの他人ですけど情けない姿なんか見せれませんよ。
70歳以上の方でサブ3.5の世界
マラソンの醍醐味は人それぞれあると思いますが、ボクの場合、
この年齢を重ねてもずーっと楽しめるという所にも魅力を感じています。
もっと言えば、おじいちゃんおばあちゃんでも20代30代のランナーと
対等に渡り合える世界だということにもはやロマンさえ感じてしまうわけで。
ちなみに今回の大会結果が出てたのでそれを参考に言えば、
70歳以上男子 1位 3時間34分
70歳以上女子 1位 4時間32分
ちょっとでもマラソンをかじっている人なら共感してもらえると思いますが、
これはもう驚愕としか言いようのないタイム。
いやはや、もう自分の結果の不甲斐なさ云々のレベルではなく、
純粋に「すごい!」という言葉しか出てきません。だって70歳以上ですよ!
これほど胸躍る世界を知ることが出来て、
さらにその時間を共有来ているということ自体がもう嬉し過ぎます。
現実は非情なもので、どんなにあがいても前のおばあちゃんとの距離は開くばかり。
遂に彼女の姿はボクの視界から消えてしまったわけですが、
この、まさに老若男女問わないスポーツがマラソンというもの。
自分の練習量が足りなかったという事実が結果に直結する、
ウソ偽りのないストイックな世界なんですね。と、気付けば
自分のペースが除々にダウンしつつあるのを感じたので「これはいかん」
とばかりに、ちょうどタイミング良く現れた給食ポイントで
一切れアンパンを2つほど鷲づかんでモグモグ……。
この長丁場では、特にメタボ体系の人は「いかにガス欠を抑えて走れるか」が
ポイントにもなってきます。で、体力的限界のひとつの峠を越えた辺りで、
ようやく30km地点に到達。まだまだ先は長いですね。
◆ 下記の各ポイントも合わせてご覧ください ◆
2013年 第33回開催
◇ 【1/12回】 会場までの道のり
◇ 【2/12回】 ペースランナーを見つけるべし
◇ 【3/12回】 欽ちゃんの仮装大会的コスチューム
◇ 【4/12回】 3年ぶりの未体験ゾーンに突入
◇ 【5/12回】 ロッキーおじさんとの再会
◇ 【6/12回】 二度と軽々しく“サブ4”なんて言えない
◇ 【7/12回】 “30kmの壁”が25kmでやってきた
◇ 【8/12回】 沿道の声援のありがたみを知る
◇ 【9/12回】 フルマラソンの給水でまさかのコーラ
◇ 【10/12回】 速い遅いに関係なく、誰もが満身創痍
◇ 【11/12回】 大げさではなく、立ち上がれない
◇ 【12/12回】 フルマラソン後のタクシーが嬉しすぎる!
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