ふと手にした「マラソン中毒者」に唖然
世の中には実に多くの“凄い”人がいるもんだと感心を軽々と通り越して、
がっつり尊敬してしまいます。あるとき、本屋のスポーツコーナーを
プラプラとしていたときにたまたま目に留まったのが
「マラソン中毒者」という本で、その「中毒者」の横に「ジャンキー」という
ルビが振られたかなり攻撃的なタイトルに、思わず手にとって
最初のページをパラパラ。すると、瞬く間にボクの心は
根こそぎもっていかれてしまったんです。
なんでも、作者の小野裕史さんの本職は投資系会社の社長さんで、
要はエリートメン。そんな無茶する必要の全くない安住の位置にいながら、
行動があまりにも破天荒。いや、どれだけひいき目に見ても
かなりクレイジーなんですよ。
そもそもメタボ体型が気になり出したのを機に、ダイエットで走り出してから
まだ3年前後らしいんですけど、すでにその期間に、
凡人では想像することすら難しいような、とにかくハードな大会に
参加し続けてるんですね。北極マラソンだったり、砂漠マラソンだったりと、
なんか読んでるだけでも引いてしまうような内容の大会に参加してて、
その参戦記がにわかには信じられないような事実が淡々と、
面白おかしく綴られてるんですね。もはやこの感じは、
作者が本当に楽しんでいないと書けないようなテンションですから、
読んでるこっちはその小野さんという人のスケール感に
ただただ圧倒されてしまうんです。
で、この小野裕史さんという人は、ボクが勉強不足で知らなかっただけで、
マラソン業界ではかなり有名な人みたいなんですね。
走るときは必ずコスプレして走るらしく、トレードマークはダイコンだとか。
なので、きっと今回の東京マラソンもその井出達で走るんじゃないでしょうか。
そうした、人を楽しませるエンターテインする力だったり、
人と一緒は嫌だという際立った個性だったりと、読み進めるほどに
人間味溢れる人柄に惹かれていくのですが、果たして、
全国、いや世界中を行脚する超多忙な社長業の中で、
いったいいつトレーニングしているのか? 単純にそこに疑問がいくわけです。
答えは簡単。トレーニングする時間が取れなければ、
今まで電車で通勤していたところを、ランに切り替えたり、
通勤のみでなく、移動手段すべてをトレーニングに当てることで
コンスタントに練習を積み重ねているんだとか。ここで思うのが、
やはり思考回路が圧倒的に違うんですね。ボクの場合、
通勤前に走ったら疲れちゃうのでは? 着替えは?
……と、出来ない理由ばかりを挙げていって結局やらずじまいなんですが、
そうしたネガな発想がこの人の場合おそろしいほどないんですよ。
この、本全般に息づいているポジティブシンキングの思考が
たまらなく勉強になります。
せっかくこうした良書、いや偉人のスタイルを垣間見れたので、
少しでもその圧倒的なパワーを真似できるように、
普段の自分のスタイルに落とし込んでいきたいですね。
何も100kmマラソンに参加しようとかそういう類のものじゃなくて、
なんていうのか、精神的なもの。
いやはや、またしても日々走るのが楽しくなりそうな予感がしてます。
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